★第一問(用語の定義)
【問題1】
貸金業法上の用語の定義に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業とは、金銭の貸付けで業として行うものをいい、金銭の貸借の媒介で業として行うものは貸金業に含まれていない。
② 債務者等とは、債務者又は債務者であった者をいい、保証人及び保証人であった者は債務者等に含まれていない。
③ 貸金業者とは、「貸金業法第3条第1項に規定する登録」(以下、本問において「貸金業の登録」という)を受けた者をいい、貸金業の登録を受けていない者は貸金業者に含まれていない。
④ 顧客等とは、資金需要者である顧客をいい、保証人となろうとする者は顧客等に含まれていない。
①(×)この法律において「貸金業」とは、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介(手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法によつてする金銭の交付又は当該方法によつてする金銭の授受の媒介を含む。)で業として行うものをいう(貸金業法2条1項)。
→ポイント「貸付け」とは
・金銭の貸付・手形割引、売渡担保その他類似方法による金銭の交付・これらの金銭の授受の媒介
「貸付け」に含まれないもの
・保証・物品の売買、運送、保管、売買の媒介を業とする者が取引に付随して行う金銭の貸付け
②(×)「債務者等」とは、債務者又は保証人をいう(貸金業法2条5項)。
③(○)「貸金業者」とは、貸金業法3条第1項の登録を受けた者をいう(貸金業法2条2項)。
④(×)「顧客等」とは、資金需要者である顧客又は保証人となろうとする者をいう(貸金業法2条4項)。
第二問(貸金業務取扱主任者の設置義務)
【問題2】
貸金業務取扱主任者に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者は、営業所又は事務所(以下、本問において「営業所等」という)ごとに複数の貸金業務取扱主任者を置くことはできない。
② 貸金業者は、営業所等ごとに、内閣府令で定めるところにより、営業所等において貸金業の業務に従事する者の数に対する貸金業務取扱主任者の数の割合が50分の1以上となる数の貸金業務取扱主任者を置かなければならない。
③ 貸金業者は、貸金業務取扱主任者として、営業所等に常時勤務する者を置かなければならず、また営業時間中、貸金業務取扱主任者を当該営業所等に常時駐在させなければならない。
④ 貸金業者は、資金需要者等からの請求があったときは、貸金業務取扱主任者の氏名を明らかにしなければならないが、従業者名簿には貸金業務取扱主任者の氏名及びその者が貸金業務取扱主任者である旨を記載することまでは求められていない。
①(×)上限はなし。
②(○)貸金業者は、営業所等において貸金業の業務に従事する者の数に対する貸金業務取扱主任の数の割合が五十分の一以上となる数の貸金業務取扱主任者を置かなければならない(貸金業法施行規則10条の8)。
③(×)営業時間中、常時駐在させる必要はない。
④(×)従業者名簿には、貸金業務取扱主任者であるか否かの別に加え、貸金業務取扱主任者である場合には、その登録番号の記載まで求められている(貸金業法施行規則10条の9の2第1項3号、4号)。
第三問(貸金業の登録)
【問題3】
株式会社であるA社は、貸金業法第3条第1項に規定する登録(貸金業の登録)を受けようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① A社の主たる営業所等以外の営業所(従たる営業所)において、50 人の使用人が貸付けに関する業務に従事している場合、その営業所の業務を統括する者の権限を代行し得る地位にある者は、登録申請書に記載すべき政令で定める使用人に当たる。
② A社において、大口の取引先である金融機関との間における金銭の出納業務のみに従事する事務員は、登録申請書に記載すべき政令で定める使用人に当たる。
③ A社の業務を執行する取締役が未成年者である場合、当該取締役の法定代理人は、登録申請書に記載すべき役員に当たらない。
④ A社の総株主等の議決権の100分の25 を超える議決権に係る株式を、自己名義で所有している個人は登録申請書に記載すべき役員に当たるが、他人名義で所有している個人は役員には当たらない。
①(○)貸付けに関する業務に従事する使用人の数が50人以上の従たる営業所等においては、支店次長、副支店長、副所長その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、当該営業所等の業務を統括する者の権限を代行し得る地位にある者 は、「政令で定める使用人」に該当する(貸金業法施行規則3条3項)。
②(×)出納業務のみに従事する事務員は、登録申請書に記載すべき政令で定める使用人に当らない。
③(×)未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名、商号又は名称 を登録申請書に記載しなければならない(貸金業法4条1項4号)。
④(×)議決権の100分の25を超える議決権に係る株式又は出資を自己または他人の名義をもって所有している個人は登録申請書に記載すべき役員に該当する(貸金業法施行規則2条1項1号)。
★第四問(極度方式基本契約)
【問題4】
貸金業者であるA社は、個人である顧客Bとの間で貸付けに係る契約(極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約その他の内閣府令で定める貸付けの契約ではない。以下、本問において「本件貸付契約」という)を締結しようとしている。A社とBとの間では、従前、貸付けに係る契約を締結したことはないが、Bは、貸金業者であるC社との間で極度額を80万円とする極度方式基本契約(以下、本問において「本件極度方式基本契約」という)を締結しており、その借入残高は60万円である。この場合に関する次の記述における( )の中に入れるべき適切な字句の組み合わせを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
A社は、Bとの間で本件貸付契約を締結しようとする場合、Bから既にその提出又は提供を受けている場合を除き、Bから源泉徴収票その他のBの収入又は収益その他の資力を明らかにする事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録として内閣府令で定めるもの(以下、本問において「資力を明らかにする書面等」という)の提出又は提供を受けなければならないことがある。
貸金業者が資力を明らかにする書面等の提出又は提供を受けなければならないのは、第一に、貸金業者が個人顧客との間で新たに締結しようとする貸付けに係る契約の貸付金額と、当該貸金業者が当該貸付けに係る契約以外の貸付けに係る契約を締結している場合におけるその貸付けの残高の合計額とを合算した額(以下、本問において「当該貸金業者合算額」という)が( ア)を超える場合である。A社とBとの間では、本件貸付契約以外の貸付けに係る契約が締結されていない。そのため、A社とBとの間で本件貸付契約における貸付金額を( ア)を超える額とするときは、A社は、既にその提出又は提供を受けている場合を除き、Bから資力を明らかにする書面等の提出又は提供を受けなければならない。
第二に、当該貸金業者合算額と、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明した当該個人顧客に対する当該貸金業者以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額とを合算した額が( イ)を超える場合である。したがって、本件貸付契約に係る貸付けの金額が( ウ)を超える場合には、A社はBから資力を明らかにする書面等の提出又は提供を受けなければならない。
① ア:50万円 イ:100万円 ウ:40万円
② ア:50万円 イ:100万円 ウ:20万円
③ ア:100万円 イ:200万円 ウ:120万円
④ ア:100万円 イ:200万円 ウ:140万円
【正解】 ①
ア:当該貸金業者合算額が50万円を超える場合には、資力を明らかにする書類の提出を受けなければならない。
イ:当該貸金業者合算額と、指定信用情報機関から提供を受けた信用情報により判明した当該個人顧客に対する当該貸金業者以外の貸金業者の貸付けの残高の合計額とを合算した額が100万円を超える場合には、資力を明らかにする書面の提出を受けなければならない。
ウ:Bは他社で60万円の貸付を受けているので、A社は40万円以上の貸付を行う場合には、資力を明らかにする書面の提出を受けなければならない。
第五問(マンスリーステートメント)
【問題 5】
貸金業法第17 条第6項及び同法第18 条第3項に規定する「一定期間における貸付け及び弁済その他の取引の状況を記載した書面として内閣府令で定めるもの」(以下、本問において「マンスリーステートメント」という)に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者が、顧客との間で極度方式基本契約を締結した場合、当該貸金業者は、当該顧客に対し、遅滞なく、貸金業法第17条第6項に規定するマンスリーステートメントを交付しなければならない。
② 貸金業者が、顧客との間で極度方式基本契約を締結した場合において、マンスリーステートメントの交付に関しあらかじめ当該顧客の承諾を得ていなくても、事後に承諾を得れば、貸金業者は、貸金業法第17条第6項に規定するマンスリーステートメントに記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。
③ 貸金業者が、顧客との間で締結した極度方式基本契約に基づき極度方式貸付けに係る契約を締結する場合、当該貸金業者は、当該顧客に対し貸金業法第17条第6項に規定するマンスリーステートメント及び「貸金業法第17条第1項に規定する書面」(契約締結時の書面)をともに交付しなければならない。
④ 貸金業者は、極度方式貸付けに係る契約に基づく債権の全部又は一部について債務者から弁済を受けた場合において、当該債務者の承諾を得て、貸金業法第18条第3項に規定するマンスリーステートメントを交付するときは、「貸金業法第18条第1項に規定する書面」(受取証書)の交付に代えて、「受領年月日及び受領金額等を記載した書面」(簡素化書面)を当該債務者に交付することができる。
①(×)マンスリーステートメントは交付しなければならないものではなく、マンスリーステートメントを交付することで契約書面に代えることができる。
②(×)電磁的方法による場合は、あらかじめ承諾を得る必要がある。
③(×)マンスリーステートメントを交付する場合、契約締結時書面は交付しなくともよい。
④(○)当該債務者の承諾を得て、貸金業法第18条第3項に規定するマンスリーステートメントを交付するときは、「貸金業法第18条第1項に規定する書面」(受取証書)の交付に代えて、「受領年月日及び受領金額等を記載した書面」(簡素化書面)を当該債務者に交付することができる。
第六問(特定公正証書)
【問題 6】
貸金業者であるA社は、資金需要者であるBとの間で貸付けに係る契約(以下、本問において「本件貸付契約」という)を締結するに際し、本件貸付契約に基づく債務の不履行の場合に直ちにBが強制執行に服する旨の陳述が記載された公正証書(以下、本問において「特定公正証書」という)を作成しようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① A社は、本件貸付契約について、Bから、Bが特定公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面(委任状)を取得してはならない。
② Bが特定公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任する場合、A社は、Bのために適切な代理人を推薦しなければならない。
③ A社は、特定公正証書の作成を公証人に嘱託する場合、あらかじめ、Bに対し、本件貸付契約に基づく債務の不履行のときには、特定公正証書により、Bが直ちに強制執行に服することとなる旨を説明すれば、Bの法律上の利益に与える影響に関する事項については説明する必要はない。
④ A社は、Bとの間で本件貸付契約を締結するに先立ち、Bに対し、特定公正証書について口頭で説明すれば、特定公正証書の作成を公証人に嘱託する旨を約する契約を締結することができる。
①(○) 貸金業を営む者は、貸付けの契約について、債務者等から、当該債務者等が特定公正証書(債務者等が貸付けの契約に基づく債務の不履行の場合に直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載された公正証書をいう)の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面を取得してはならない(貸金業法20条1項)。
②(×)貸金業を営む者は、貸付けの契約について、債務者等が特定公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任する場合には、当該代理人の選任に関し推薦その他これに類する関与をしてはならない(貸金業法20条2項)。
③(×)貸金業者は、貸付けの契約について、特定公正証書の作成を公証人に嘱託する場合には、あらかじめ債務者等となるべき資金需要者等に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
1 当該貸付けの契約に基づく債務の不履行の場合には、特定公正証書により、債務者等が直ちに強制執行に服することとなる旨
2 前号に掲げるもののほか、債務者等の法律上の利益に与える影響に関する事項として内閣府令で定めるもの
④(×)当該説明は書面を交付して説明しなければならない。
第七問(指定信用情報機関)
【問題 7】
個人信用情報の提供に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問における指定信用情報機関は、貸金業法第41 条の13第1項に規定する指定(信用情報提供等業務を行う者の指定)を受けているものとする。
① 指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結した貸金業者(以下、本問において「加入貸金業者」という)は、当該信用情報提供契約締結前に既に締結した資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約(極度方式基本契約その他の内閣府令で定めるものを除く)の貸付残高の有無にかかわらず、すべての契約に関する一定の事項を、当該指定信用情報機関に提供しなければならない。
② 加入貸金業者が、信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関(以下、本問において「加入指定信用情報機関」という)に提供すべき事項には、個人顧客の氏名、住所、生年月日、電話番号、契約年月日及び貸付けの金額が含まれるが、当該個人顧客の勤務先の商号又は名称は含まれない。
③ 加入貸金業者は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約(極度方式基本契約その他の内閣府令で定めるものを除く)を締結したときは、遅滞なく、当該貸付けに係る契約に係る個人信用情報を加入指定信用情報機関に提供しなければならない。
④ 貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結する前に、資金需要者と貸付けに係る契約を締結していた。その後、当該貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結した後、当該貸付けに係る契約に基づく債権の管理に必要であるため、当該資金需要者に係る信用情報の提供を当該指定信用情報機関に依頼した。この場合、当該貸金業者は、当該信用情報の提供の依頼について、当該資金需要者の同意を得なければならない。
①(×)加入貸金業者は、指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結したときは、当該信用情報提供契約の締結前に締結した資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約で当該信用情報提供契約を締結した時点において貸付けの残高があるものに係る一定の事項を、当該指定信用情報機関に提供しなければならない。
②(×)指定信用情報機関に提供すべき情報に勤務先の商号又は名称は含まれる(貸金業法施行規則30条の13第1項5号)
③(○)加入貸金業者は、資金需要者である個人の顧客を相手方とする貸付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、当該貸付けに係る契約に係る個人信用情報を信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関(以下「加入指定信用情報機関」という。)に提供しなければならない(貸金業法40条の35第2項)。
④(×)加入貸金業者が指定信用情報機関と信用情報提供契約を締結した時よりも前に資金需要者と締結した貸付けに係る契約及び極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けに係る契約に係る債権の管理に必要な場合、当該貸金業者は、当該信用情報の提供の依頼について、当該資金需要者の同意は不要である(貸金業法施行規則30条の14)。
第八問(指定信用情報機関)
【問題 8】
指定信用情報機関に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 法人は、日本の法令に準拠して設立されたか否かを問わず、信用情報提供等業務を行う者として内閣総理大臣の指定を受けることができる。
② 指定信用情報機関の職員が、信用情報提供等業務に関して知り得た秘密を漏らした場合、当該職員は刑事罰を科されることがあるが、指定信用情報機関の職員であった者が秘密を漏らしたとしても、当該職員であった者は刑事罰を科されることはない。
③ 指定信用情報機関は、信用情報提供等業務及びこれに付随する業務を行うことができるが、それ以外の業務については、当該指定信用情報機関が信用情報提供等業務を適正かつ確実に行うにつき支障を生ずるおそれがないと認められる業務であっても、兼業の承認申請をすることはできない。
④ 指定信用情報機関は、内閣府令で定めるところにより、信用情報提供等業務の一部を、内閣総理大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる。
①(×)外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体については、信用情報提供等業務を行う者として内閣総理大臣の指定を受けることができない。
②(×)指定信用情報機関の職員であった者についても同様に刑事罰を科される可能性がある。
③(×)指定信用情報機関は、信用情報提供等業務及び信用情報提供等業務に付随する業務のほか、他の業務を行うことができない。ただし、当該指定信用情報機関が信用情報提供等業務を適正かつ確実に行うにつき支障を生ずるおそれがないと認められるものについて、内閣総理大臣の承認を受けたときは、この限りでない(貸金業法41条の18第1項)。
④(○)指定信用情報機関は、内閣府令で定めるところにより、信用情報提供等業務の一部を、内閣総理大臣の承認を受けて、他の者に委託することができる(貸金業法41条の19第1項)。
★第九問(受取証書)
【問題 9】
「貸金業法第18条第1項に規定する書面」(以下、本問において「受取証書」という)の交付に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。① 貸金業者が、貸付けに係る契約に基づく債権の一部について、債務者等から当該貸金業者の営業所窓口で弁済を受けた場合、当該貸金業者は、弁済を受けた一部について、受取証書を当該弁済者に交付する必要はない。
② 貸金業者が、貸付けに係る契約に基づく債権の全部又は一部について債務者等から弁済を受け、受取証書を交付する場合、当該貸金業者は、受取証書に自己の商号及び住所、受領金額、受領年月日並びに弁済を受けた旨を示す文字を記載しなければならないが、契約年月日を記載する必要はない。
③ 貸金業者が、貸付けに係る契約に基づく債権の全部又は一部について、債務者ではなく、かつ保証人でもない第三者から、当該貸金業者の営業所窓口で弁済を受けた場合、当該貸金業者は、受取証書を当該債務者に交付しなければならない。
④ 貸金業者が、貸付けに係る契約に基づく債権の全部又は一部について、債務者等から、預金又は貯金の口座に対する払込みにより弁済を受けた場合、当該貸金業者は、当該弁済をした者から請求を受けたときに限り、受取証書を当該弁済者に交付しなければならない。
①(×)貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権の全部又は一部について弁済を受けたときは、その都度、直ちに、法令で定める事項を記載した書面を当該弁済をした者に交付しなければならない(貸金業法18条1項)。
②(×)契約年月日は受取証書の必要的記載事項である。
③(×)受取証書は「弁済をした者」に交付しなければならない。
④(○)預金口座に対する払込みにより弁済を受けた場合、受取証書は、当該弁済をした者から請求を受けたときに限り交付しなければならない。
第十問(利息に関する規制)
【問題 10】
Aが、Bとの間で金銭消費貸借契約を締結し、金銭をBに貸し付けようとしている。この場合における金利に対する法規制に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、金利については2月29 日を含まない年を前提とする。
① AとBとの間で、元本を10万円とし、年4割(40%)の割合による利息の約定をして金銭消費貸借契約を締結した場合、Aが当該契約を業として行うか否かにかかわらず、Aは完全施行日後の出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下、本問において「出資法」という)上刑事罰を科されることがある。また、当該利息の約定のうち年1割8分(18%)を超過する部分は完全施行日後の利息制限法(以下、本問において「利息制限法」という)に基づき無効となる。
② AとBとの間で、元本を100万円とし、年2割(20%)の割合による利息の約定をして金銭消費貸借契約を締結した場合において、Aが当該契約を業として行ったときは、Aは出資法上刑事罰を科されることがある。また、当該利息の約定のうち年1割5分(15%)を超過する部分は利息制限法に基づき無効となる。
③ AとBとの間で、元本を5万円とし、年2割9分5厘(29.5%)の割合による利息の約定をして金銭消費貸借契約を締結した場合において、Aが当該契約を業として行っていないときは、Aは出資法上刑事罰を科されることはない。また、当該利息の約定のうち年2割(20%)を超過する部分は利息制限法に基づき無効となる。
④ AとBとの間で、元本を50万円とし、年15 割(150%)の割合による利息の約定をして金銭消費貸借契約を締結した場合、Aが当該契約を業として行うか否かにかかわらず、Aは出資法上刑事罰を科されることがある。また、当該利息の約定のうち年1割5分(15%)を超過する部分は利息制限法に基づき無効となる。
①(×)金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年20%を超える割合による利息の契約をしたときは刑事罰を科されることがある(出資法5条2項)。
②(×)出資法上、刑事罰を科されることがあるのは年20%を超える利息の契約をしたときである。
③(○)業として行っていない貸付である場合には、出資法上109.5%を超える利息の約定をしたときに刑事罰が科される。また、利息制限法上、元本が5万円の貸付に対する上限金利は20%であるので、本肢の記述は正しい。
④(×)出資法上、年109.5%を超える利息の契約は、業として行うか否かに関わらず刑事罰を科されることがある。利息制限法上、元本が50万円のときの上限金利は18%である。
★第十一問(利息制限法)
【問題 11】
完全施行日後の利息制限法に規定するみなし利息に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切なものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 営業的金銭消費貸借においては、契約の締結及び債務の弁済の費用のうち、強制執行の費用は、利息とみなされない。
② 営業的金銭消費貸借においては、契約の締結及び債務の弁済の費用のうち、公租公課の支払いに充てられるべきものは、利息とみなされる。
③ 営業的金銭消費貸借においては、契約の締結及び債務の弁済の費用のうち、債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る)は、利息とみなされる。
④ 営業的金銭消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭のうち、債務者の要請により金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料は、利息とみなされる。
①(○)強制執行の費用、担保権の実行としての競売の手続の費用その他公の機関が行う手続に関してその機関に支払うべきものは、債務の弁済費用として利息とみなされない(利息制限法6条2項2号)。
②(×)公租公課の支払に充てられるべきものは、利息とみなされない(利息制限法6条2項1号)。
③(×)債務者が金銭の受領又は弁済のために利用する現金自動支払機その他の機械の利用料(政令で定める額の範囲内のものに限る。) は、利息とみなされない(利息制限法6条2項3号)。
④(×)営業的金銭消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭のうち、金銭の貸付け及び弁済に用いるため債務者に交付されたカードの再発行の手数料その他の債務者の要請により債権者が行う事務の費用として政令で定めるものについては、利息とみなされない(利息制限法6条1項)。
第十二問(業務改善命令)
【問題 12】
貸金業法第24 条の6の3に規定する業務改善命令に関する次の記述における( )の中に入れるべき適切な字句の組み合わせを①〜④の中から1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、( ア)と認めるときは、当該貸金業者に対し、その必要の限度において、( イ)その他業務の運営の改善に必要な措置を命じることができる。これは業務改善命令と呼ばれる。この業務改善命令に違反した者は、( ウ)の対象となる。
① ア 法令違反がある イ 業務の方法の変更 ウ 1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、又はこれの併科
② ア 法令違反がある イ 登録の取消し ウ 5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、又はこれの併科
③ ア 資金需要者等の利益の保護を図るため必要がある イ 登録の取消し ウ 5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、又はこれの併科
④ ア 資金需要者等の利益の保護を図るため必要がある イ 業務の方法の変更 ウ 1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、又はこれの併科
内閣総理大臣又は都道府県知事は、その登録を受けた貸金業者の業務の運営に関し、資金需要者等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、当該貸金業者に対して、その必要の限度において、業務の方法の変更その他業務の運営の改善に必要な措置を命ずることができる(貸金業法24条6の3)。
業務改善命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第十三問(内部管理態勢)
【問題 13】
貸金業者の内部管理態勢の整備に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者向けの総合的な監督指針(以下、本問において「監督指針」という)では、監督当局は、他に貸金業の業務に従事する者がいない個人の貸金業者を監督するに当たっては、当該貸金業者が、自ら貸金業に関する業務の検証を行う自己検証のみでは足りず、外部監査人による外部監査の態勢を整備しているかに留意するものとされている。
② 監督指針では、内部監査部門とは、営業部門から独立した検査部署、監査部署等をいい、内部管理の一環として被監査部門等が実施する検査等を含まないとされている。
③ 貸金業者は、その取り扱う個人である資金需要者等に関する人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報を、適切な業務運営の確保その他必要と認められる目的以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じなければならない。
④ 貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則では、日本貸金業協会に加入している貸金業者(協会員)は、資金需要者等に対し重大な影響を与える可能性のある不祥事件の発生等に際して、資金需要者等の視点に立ち、正確かつ公正な情報を迅速に個別当事者のみならず必要に応じて広く資金需要者等に対して伝達する必要があるとされている。
①(×)他に貸金業の業務に従事する者がいない個人の貸金業者、又は貸金業の業務に従事する者が1名で且つ当該者が常務に従事する唯一の役員として代表者となっている法人形態の貸金業者においては、これらの者が法に規定された主任者(法第24条の25第1項の登録を受けた貸金業務取扱主任者をいう。以下同じ。)であることをかんがみ、内部監査に代わる措置を利用する場合には、以下のような態勢を整備しているか。
イ. 外部監査を利用する場合は、外部監査人に対して、監査目的を明確に指示し、監査結果を業務改善に活用するための態勢を整備しているか。
ロ. 協会が協会員に対して行う監査を利用する場合には、監査結果を業務改善に活用するための態勢を整備しているか。
ハ. 自己の行う貸金業に関する業務の検証を行う場合には、以下の点を踏まえ、業務の適切性を確保するために十分な態勢を整備しているか。
a. 自己検証を実施するために十分な時間が確保されているか。
b. 自己検証を実施するに際し、別添自己検証リストに基づき自社の社内規則等を参考に自己検証項目を設定しているか。
c. 自己検証を実施する頻度が少なくとも月1回以上となっているか。
d. 実施した自己検証を記録し、少なくとも3年間保存することとされているか。
②(○)「内部監査部門」とは、営業部門から独立した検査部署、監査部署等をいい、内部管理の一環として被監査部門等が実施する検査等を含まない。
③(○) 個人である資金需要者等の人種、信条、門地、本籍地、保健医療又は犯罪経歴についての情報その他の特別の非公開情報(注)を、金融分野ガイドライン第5条第1項各号に列挙する場合を除き、利用しないことを確保するための措置が講じられているか。
④(○)日本貸金業協会に加入している貸金業者(協会員)は、資金需要者等に対し重大な影響を与える可能性のある不祥事件の発生等に際して、資金需要者等の視点に立ち、正確かつ公正な情報を迅速に個別当事者のみならず必要に応じて広く資金需要者等に対して伝達する必要があるとされている。
第十四問(貸金業者の業務運営)
【問題 14】
貸金業の業務の適切な運営を確保するための措置に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者向けの総合的な監督指針(以下、本問において「監督指針」という)では、監督当局は、貸金業者を監督するに当たっては、法令等遵守(コンプライアンス)に係る基本的な方針、具体的な実践計画や行動規範等が策定され、定期的又は必要に応じ、見直しが行われているかに留意するものとされている。
② 監督指針では、監督当局は、貸金業者を監督するに当たっては、資金需要者等の情報へのアクセス管理の徹底、内部関係者による顧客情報の持ち出しの防止に係る対策、外部からの不正アクセスからの防御等情報管理システムの堅牢化などの対策を含め、資金需要者等に関する情報の管理状況を適時・適切に検証できる態勢となっているかに留意するものとされている。
③ 貸金業者は、その営む業務の内容及び方法に応じ、資金需要者等の知識、経験及び財産の状況を踏まえた重要な事項の資金需要者等に対する説明その他の健全かつ適切な業務の運営を確保するための措置(書面の交付その他の適切な方法による商品又は取引の内容の説明並びに犯罪を防止するための措置を含む)に関する社内規則その他これに準ずるもの(以下、本問において「社内規則等」という)を定めるとともに、従業者に対する研修その他の当該社内規則等に基づいて業務が運営されるための十分な体制を整備しなければならない。
④ 貸金業者は、信用情報に関する機関から提供を受けた情報であって個人又は法人である資金需要者等の借入金返済能力に関するものを、資金需要者等の返済能力の調査以外の目的のために利用しないことを確保するための措置を講じることが義務付けられている。
①(○)コンプライアンスに係る基本的な方針、具体的な実践計画(コンプライアンス・プログラム)や行動規範(倫理規程、コンプライアンス・マニュアル)等が策定され、定期的又は必要に応じ、見直しが行われているか。特に、業績評価や人事考課等において収益目標(ノルマ)に偏重することなく、コンプライアンスを重視しているか。また、これらの方針等は役職員に対して周知徹底が図られ、十分に理解されるとともに、日常の業務運営において実践されているか。
②(○) 顧客等に関する情報へのアクセス管理の徹底(アクセス権限を付与された本人以外が使用することの防止等)、内部関係者による顧客等に関する情報の持出しの防止に係る対策、外部からの不正アクセスからの防御等情報管理システムの堅牢化、営業所等の統廃合等を行う際の顧客等に関する情報の漏えい等の防止などの対策を含め、顧客等に関する情報の管理状況を適時・適切に検証できる態勢となっているか。
③(○)貸金業者は、その営む業務の内容及び方法に応じ、資金需要者等の知識、経験及び財産の状況を踏まえた重要な事項の資金需要者等に対する説明その他の健全かつ適切な業務の運営を確保するための措置(書面の交付その他の適切な方法による商品又は取引の内容の説明並びに犯罪を防止するための措置を含む。)に関する社内規則等(社内規則その他これに準ずるものをいう。以下この条において同じ。)を定めるとともに、従業者に対する研修その他の当該社内規則等に基づいて業務が運営されるための十分な体制を整備しなければならない(貸金業法施行規則10条の6)。
④(×)加入貸金業者又はその役員若しくは職員は、返済能力等調査以外の目的のために加入指定信用情報機関に信用情報の提供の依頼をし、又は加入指定信用情報機関から提供を受けた信用情報を返済能力等調査以外の目的に使用し、若しくは第三者に提供してはならない(貸金業法41条の38)。
1) 当該加入貸金業者の顧客である資金需要者等の借入金の返済能力その他の金銭債務の弁済能力の調査
2) 前号に掲げるもののほか、当該加入貸金業者が締結する保証契約に係る主たる債務者の借入金の返済能力その他の金銭債務の弁済能力の調査
第十五問(貸金業の登録)
【問題 15】
Aは、「貸金業法第3条第1項に規定する登録」(以下、本問において「貸金業の登録」という)を受けずに貸金業を営もうとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問において、貸金業法第2条第1項ただし書の規定(貸金業から除かれるもの)は考慮しないものとする。
① Aが、金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介を業として行った場合、Aは、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
② Aが、不正の手段によって貸金業の登録を受けた場合、Aは、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
③ Aが、業として行った貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たって、債務者であるBに対し、B以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法により当該貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求した場合、Aは、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
④ Aが、貸金業を営む旨の表示又は広告をした場合、それが貸金業を営む目的をもってなされたときに限り、Aは、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
①(○)貸金業の登録を受けずに金銭の貸付け又は金銭の貸借の媒介を業として行った場合、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
②(○)不正の手段によって貸金業の登録を受けた場合、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
③(○)業として行った貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たって、債務者に対し、債権者である貸金業者以外の者からの金銭の借入れその他これに類する方法により当該貸付けの契約に基づく債務の弁済資金を調達することを要求した場合、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
④(×)貸金業の登録を受けていない者が、貸金業を営む旨の表示又は広告をした場合、貸金業を営む目的をもってなされたか否かを問わず、貸金業法上、刑事罰を科されることがある。
第十六問(登録事項変更届)
【問題 16】
貸金業者であるA社は、貸金業法第4条第1項各号(登録事項)に掲げる事項の変更を考えている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① A社が営業所の所在地を変更しようとするときは、あらかじめその旨を届け出なければならない。
② A社が役員を変更しようとするときは、あらかじめその旨を届け出なければならない。
③ A社が、個人である役員の変更を届け出るときは、運転免許証など本人確認に利用できる書類の写しや、住民票の抄本又はこれに代わる書面、履歴書等のほかに、貸金業法第6条第1項第9 号(法人の役員に係る登録の拒否事由)に該当しないことを誓約する書面を添付しなければならない。
④ A社が、登録事項の変更を届け出るに際し、虚偽の届出をしたときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。
①(○)営業所の所在地を変更する場合、あらかじめその旨を届け出る必要がある。
②(×)役員を変更する場合、変更の日から2週間以内に届け出なければならない。
③(○)個人である役員の変更を届け出るときは、運転免許証など本人確認に利用できる書類の写しや、住民票の抄本又はこれに代わる書面、履歴書等のほかに、貸金業法第6条第1項第9 号(法人の役員に係る登録の拒否事由)に該当しないことを誓約する書面を添付しなければならない。
④(○)貸金業者が登録事項の変更を届け出るに際し、虚偽の届出をしたときは、50万円以下の罰金に処せられることがある。
第十七問(貸付条件の掲示)
【問題 17】
貸付条件等及び標識の掲示に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、当該営業所又は事務所の業務を統括する者の氏名を掲示しなければならない。
② 貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、貸付けの利率を掲示する場合、その年率を百分率で少なくとも小数点以下1位まで表示する方法により掲示しなければならない。
③ 貸金業者は、営業所等が現金自動設備であり、その現金自動設備があらかじめ定める条件により継続して貸付けを行う契約(包括契約)に基づく金銭の交付又は回収のみを行う場合は、貸付けの利率や返済の方式等の貸付条件等を掲示する必要はない。
④ 貸金業者は、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、内閣府令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
①(×)貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、営業所又は事務所ごとに、顧客の見やすい場所に、次に掲げる事項を掲示しなければならない(貸金業法14条1項)。 当該掲示には、営業所又は事務所に置かれる貸金業務取扱主任者の氏名 を記載しなければならない。
②(○)貸金業者は、貸付けの利率を掲示するときは、年率を百分率で少なくとも小数点以下一位まで表示する方法によるものとする(貸金業法施行規則11条4項)。
③(○)貸付条件の掲示は、当該営業所等で行う貸付けの種類ごとに、見やすい方法で行わなければならない。ただし、当該営業所等が現金自動設備であつて、当該現金自動設備があらかじめ定める条件により継続して貸付けを行う契約(以下「包括契約」という。)に基づく金銭の交付又は回収のみを行うものであるときは、掲示することを要しない(貸金業法施行規則11条5項)。
④(○)貸金業者は、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、内閣府令で定める様式の標識を掲示しなければならない。
第十八問(極度方式基本契約)
【問題 18】
日本貸金業協会に加入している貸金業者であるAは、Bとの間で極度方式基本契約を締結しようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① AがBとの間で極度方式基本契約を締結した場合、Aは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、「貸金業法第17条第2項前段に規定する書面」(以下、本問において「極度方式基本契約における契約締結時の書面」という)をBに交付しなければならない。
② AがBとの間で極度方式基本契約を締結した後、AとBとの間の合意により当該契約における極度額を引き下げる旨の変更をした場合、Aは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、「貸金業法第17条第2項後段に規定する書面」(極度方式基本契約における契約変更時の書面)をBに交付しなければならない。
③ Aが極度方式基本契約における契約締結時の書面をBに交付する場合、Aは、当該書面にAの商号、名称又は氏名及び住所、Aの登録番号並びにBの商号、名称又は氏名及び住所等を記載しなければならない。
④ 貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則では、AがBとの間で極度額を50万円として極度方式基本契約を締結する場合、Aは、原則として、当該契約に基づく極度方式貸付けの返済が5年以内に終了するようにしなければならないとされている。
①(○)貸金業者は、極度方式基本契約を締結したときは、遅滞なく、極度方式基本契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならない。当該書面に記載した事項のうち、重要なもの変更したとき(当該相手方の利益の保護に支障を生ずることがないときとして内閣府令で定めるときを除く。)も、同様とする(貸金業法17条2項)。
②(×)極度方式基本契約を締結した後、合意により当該契約における極度額を引き下げる旨の変更をした場合、契約変更時の書面は省略できる(貸金業法施行規則13条5項)。
③(○)極度方式基本契約における契約締結時の書面には、貸金業者の商号、名称又は氏名及び住所を記載しなければならない。
④(○)協会員は、資金需要者等との間で極度方式基本契約を締結する場合には、当該極度方式契約に基づく極度方式貸付けの返済が原則3 年以内( ただし、極度額が30 万円を超える場合には原則5 年以内)に終了するようにしなければならない。ただし、極度額が100 万円を超える場合において、返済能力その他の事情等にかんがみ、合理的理由がある場合には、この限りでない。
第十九問(保証契約)
【問題 19】
貸金業者であるA社は、顧客であるBとの間で貸付けに係る契約(極度方式基本契約ではない。以下、本問において「本件貸付契約」という)を締結し、Bの知人であるCと本件貸付契約について保証契約を締結することとした。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① A社は、Cとの間で保証契約を締結しようとする場合には、当該保証契約を締結するまでに、「貸金業法第16条の2第3項に規定する書面」(保証契約における契約締結前の書面で、当該保証契約の概要を記載した書面及び詳細を記載した書面の2種類の書面)をCに同時に交付しなければならない。
② A社は、Cとの間で保証契約を締結したときは、遅滞なく、Cに対し、「貸金業法第17 条第3項前段に規定する書面」(保証契約における契約締結時の書面)を交付しなければならない。
③ A社は、Bとの間で、本件貸付契約を改定して返済金額を変更し返済期間を延長したことに伴い、Cとの間の保証契約における保証期間を延長する旨の変更をしたときは、「貸金業法第17条第3項後段に規定する書面」(保証契約における契約変更時の書面)を、遅滞なくCに交付しなければならない。
④ A社は、Bとの間で、保証の対象となる貸付けに係る契約を複数締結した場合には、Cとの間の保証の対象となるすべての貸付けに係る契約につき、「貸金業法第17条第4項に規定する書面」(契約締結時の書面)を1つの書面にまとめ、遅滞なくCに交付しなければならない。
①(○)保証契約を締結しようとする場合には、概要書面と詳細書面の2種類を同時に交付しなければならない。
②(○)貸金業者は、貸付けに係る契約について保証契約を締結したときは、遅滞なく、保証契約における契約締結時の書面を当該保証契約の保証人に交付しなければならない。
③(○)保証契約における保証期間を延長する旨の変更をしたときは、保証契約における契約変更時の書面を、遅滞なく当該保証人に交付しなければならない。
④(×)保証の対象となる貸付けに係る契約を複数締結した場合には、それぞれ契約締結時の書面を交付しなければならない。
★第二十問(過剰貸付等の禁止)
【問題 20】
過剰貸付け等の禁止に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者が、個人顧客と極度方式基本契約を締結している場合、当該貸金業者は、当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの残高が少額であるときその他の内閣府令で定めるときを除き、3か月以内の期間ごとに、指定信用情報機関が保有する当該個人顧客に係る信用情報を使用して、当該極度方式基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当するか否かを調査しなければならない。
② 貸金業者が、極度方式基本契約の相手方である個人顧客に対して当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合において、当該下回る額を増額するときであっても、当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない場合として内閣府令で定めるものに該当するときは、当該貸金業者は、当該個人顧客の返済能力を調査する義務を負わない。
③ 貸金業者が、法人である顧客との間で貸付けに係る契約を締結しようとする場合、貸金業者は、当該貸付けに係る契約が当該顧客の返済能力を超える契約であるか否かを調査する義務を負わない。
④ 貸金業者は、顧客等と貸付けに係る契約を締結した場合には、顧客の返済能力に関する事項の調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
①(○)貸金業者が、個人顧客と極度方式基本契約を締結している場合、法令で定める場合を除き、3か月以内の期間ごとに、指定信用情報機関が保有する当該個人顧客に係る信用情報を使用して、当該極度方式基本契約が基準額超過極度方式基本契約に該当するか否かを調査しなければならない。
②(○)貸金業者が、極度方式基本契約の相手方である個人顧客に対して当該極度方式基本契約に基づく極度方式貸付けの元本の残高の上限として極度額を下回る額を提示している場合において、当該下回る額を増額するときであっても、当該個人顧客の利益の保護に支障を生ずることがない場合には、当該顧客の返済能力を調査する義務を負わない。
③(×)貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合には、顧客等の収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならない(貸金業法13条1項)。当該規定は個人・法人を問わない。
④(○)貸金業者は、顧客等と貸付けの契約を締結した場合には、返済能力の調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
第二十一問(除外貸付)
【問題21】
貸金業法第13条の2第2項に規定する個人過剰貸付契約に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 債務を既に負担している個人顧客が当該債務を弁済するために必要な資金の貸付けに係る契約であって、当該貸付けに係る契約の1か月の負担が当該債務に係る1か月の負担を上回るものは、個人過剰貸付契約に当たらない。
② 不動産の建設もしくは購入に必要な資金又は不動産の改良に必要な資金の貸付けに係る契約は、個人過剰貸付契約に当たらない。
③ 自動車の購入に必要な資金の貸付けに係る契約のうち、当該自動車の所有権を貸金業者が取得するものは、個人過剰貸付契約に当たらない。
④ 個人顧客又は当該個人顧客の親族で当該個人顧客と生計を一にする者の高額療養費(健康保険法所定のもの)を支払うために必要な資金の貸付けに係る契約は、個人過剰貸付契約に当たらない。
①(×)債務を弁済するために必要な資金の貸付けに係る契約であって、当該貸付けに係る契約の1か月の負担が当該債務に係る1か月の負担を上回るものは、個人過剰貸付契約から除かれる契約に該当しない。
②(〇)不動産の建設若しくは購入に必要な資金(借地権の取得に必要な資金を含む。)又は不動産の改良に必要な資金の貸付けに係る契約は個人過剰貸付契約から除かれる。
③(〇)自動車の購入に必要な資金の貸付けに係る契約のうち、当該自動車の所有権を貸金業者が取得し、又は当該自動車が譲渡により担保の目的となつているものは、個人過剰貸付契約から除かれる。
④(○)個人顧客又は当該個人顧客の親族で当該個人顧客と生計を一にする者の高額療養費(健康保険法所定のもの)を支払うために必要な資金の貸付けに係る契約は、個人過剰貸付契約から除かれる。
第二十二問(総量規制)
【問題 22】
貸金業者であるA社は、Bとの間で貸付けに係る契約(以下、本問において「本件貸付契約」という)を締結するに当たり、本件貸付契約につき、Bの知人であるCとの間で保証契約(以下、本問において「本件保証契約」という)を締結しようとしている。この場合に関する次の①〜④の記述のうち、総量規制の適用についてその内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。なお、本問におけるすべての貸付けに係る契約は、住宅資金貸付契約その他貸金業法施行規則第10 条の21第1項に定める契約(住宅資金貸付契約等)、極度方式基本契約及び極度方式貸付けに係る契約ではないものとする。
① A社は、Cとの間で本件保証契約を締結しようとする場合には、Cの収入又は収益その他の資力、信用、借入れの状況、返済計画その他の返済能力に関する事項を調査しなければならず、その調査に際しては、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。
② Cが、貸金業者であるD社との間で貸付けに係る契約を締結している場合において、CのD社に対する借入残高とA社とBとの間の本件貸付契約に係る貸付けの金額の合計額がBの年間の給与及びこれに類する定期的な収入の金額として内閣府令で定めるものを合算した額に3分の1を乗じて得た額を超えることとなるときは、A社は、Cとの間で本件保証契約を締結することができない。
③ A社が、Cとの間で本件保証契約を締結しようとする場合において、本件保証契約がCの返済能力を超える保証契約と認められるときは、A社は、Cとの間で本件保証契約を締結することができない。
④ A社が、Cとの間で本件保証契約を締結した場合において、本件貸付契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅していないときは、A社は、Cの返済能力の調査に関して作成した記録を、本件貸付契約で定めた最終の返済期日又は本件保証契約に基づく債務が消滅した日のうちいずれか早い日まで保管しなければならない。
①(○)貸金業者が個人である顧客等と貸付けの契約(極度方式貸付けに係る契約を除く。)を締結しようとする場合には、返済能力の調査を行うに際し、指定信用情報機関が保有する信用情報を使用しなければならない。 「貸付の契約」には、保証契約も含まれる。
②(×)Cの保証契約に際し、Bの貸付残高等は関係なく、A社に対して個人過剰貸付契約に該当しなければ、保証契約を締結することができる。
③(○)保証契約に際し、当該保証契約が返済能力を超えると認められるときは、保証契約を締結することができない。
④(○) 貸金業者は、顧客等と貸付けの契約を締結した場合には、返済能力の調査に関する記録を作成し、これを保存しなければならない。
★第二十三問(生命保険契約に係る規制)
【問題 23】
貸付けの契約の相手方等を被保険者とし、貸金業者が保険金額の支払いを受けることとなる生命保険契約に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸付けの契約の相手方等を被保険者とする生命保険契約の存在が、不適切な取立て行為を招き、ひいては貸付けの契約の相手方等の自殺を誘発しているとの社会的批判がみられたために、貸金業法に生命保険契約の締結に関する規定が設けられた。
② 貸金業者が、個人顧客との間でその住宅の購入に必要な資金の貸付けに係る契約を締結するに当たり、当該契約の相手方となろうとする者の自殺による死亡を保険事故とする生命保険契約を締結することは、貸金業法により禁止されている。
③ 貸金業者が、貸付けに係る契約について保証契約を締結するに当たり、当該保証人となろうとする者を被保険者とする生命保険契約を締結しようとする場合において、当該被保険者から商法第674 条第1項の規定による同意を得ようとするときは、あらかじめ、内閣府令で定めるところにより、貸金業法第16条の3第1項に規定する書面(生命保険契約に係る同意前の書面)を被保険者に交付しなければならない。
④ 貸金業者が、貸金業法第12条の7に規定する生命保険契約の締結に係る制限に違反した場合、刑事罰を科されることがある。
①(○)不当な取立行為を防止するための方策の一つとして、貸金業法に生命保険契約に関する制限の規定が設けられている。
②(×)貸金業者は、貸付けの契約(住宅資金貸付契約その他の内閣府令で定める契約を除く。)の相手方又は相手方となろうとする者の死亡によつて保険金の支払を受けることとなる保険契約を締結しようとする場合には、当該保険契約において、自殺による死亡を保険事故としてはならない(貸金業法12条の7)。
③(○)貸金業者が、貸付けの契約の相手方又は相手方となろうとする者の死亡によつて保険金の支払を受けることとなる保険契約を締結しようとする場合において、これらの者から保険法(商法674条)の同意を得ようとするときは、あらかじめ、法令で定める事項を記載した書面をこれらの者に交付しなければならない(貸金業法16条の3第1項)。
④(○)生命保険契約の締結に係る制限に違反した場合、刑事罰を科されることがある。
★第二十四問(帳簿)
【問題 24】
「貸金業法第19条に規定する帳簿」(以下、本問において「帳簿」という)に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、帳簿を備え、債務者ごとに貸付けの契約について契約年月日、貸付けの金額、受領金額その他内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。
② 債務者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、帳簿のうち当該債務者に利害関係がある部分に限り、その閲覧又は謄写を請求することができる。
③ 貸金業者は、保証人から、当該保証人の権利の行使に関する調査を目的として、主たる債務者に係る帳簿の閲覧請求を受けた場合、閲覧請求の対象である帳簿が請求者である保証人本人のものでないことを理由に、当該請求を拒むことができる。
④ 貸付けの契約(極度方式基本契約ではない)に基づく債権が債務者の弁済により消滅した場合であっても、貸金業者は、当該貸付けの契約について、帳簿を当該債権の消滅した日から少なくとも10 年間保存しなければならない。
①(○)貸金業者は、内閣府令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え、債務者ごとに貸付けの契約について契約年月日、貸付けの金額、受領金額その他内閣府令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない(貸金業法19条)。
②(○)債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行つた者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない(貸金業法19条の2)。
③(×)閲覧請求の対象である帳簿が請求者である保証人本人のものでないことのみを理由に当該請求を拒むことはできない。ただし、誰でも閲覧可能ではなく、調査の依頼を受けた弁護士等、本人との関係を明確に証明できる者に限られる。
④(○)貸金業者は、帳簿を貸付けの契約ごとに、当該契約に定められた最終の返済期日(当該契約に基づく債権が弁済その他の事由により消滅したときにあつては、当該債権の消滅した日)から少なくとも十年間保存しなければならない。ただし、極度方式基本契約を締結した場合には、当該極度方式基本契約及び当該極度方式基本契約に基づくすべての極度方式貸付けに係る契約について、当該極度方式基本契約の解除の日又はこれらの契約に定められた最終の返済期日のうち最後のもの(これらの契約に基づく債権のすべてが弁済その他の事由により消滅したときにあつては、その消滅した日)のうちいずれか遅い日から少なくとも十年間保存しなければならない(貸金業法施行規則17条)。
第二十五問(取立行為規制)
【問題 25】
貸金業者による取立て行為に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者が、支払いの催告に関する「貸金業法第21 条第2項の規定」(取立て行為の規制)に違反した場合、当該貸金業者は、その登録を受けた内閣総理大臣又は都道府県知事から、その登録を取り消され、又は1年以内の期間を定めて、その業務の全部もしくは一部の停止を命じられることがある。
② 貸金業者が、債務者に対し支払いを催告するために電磁的記録を送付する場合、本人のみが使用していることが明らかな電子メールアドレスに電子メールを送付する方法その他の債務者の借入れに関する事実が債務者以外の者に明らかにならない方法により行われなければならない。
③ 貸金業者の従業者が、債務者宅を訪問し債権の取立てをするに当たり、相手方から、当該貸金業者の商号、名称もしくは氏名又は当該従業者の氏名を明らかにするよう請求があった場合には、当該貸金業者の商号等を記載した書面を交付する方法に代えて、「貸金業法第12条の4に規定する証明書」(貸金業者の従業者であることを証する証明書)の提示によることができる。
④ 貸金業者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業者から委託を受けた者は、債務者に対し支払いを催告する方法として、書面に代えて電磁的記録の送付によることはできない。
①(○)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、債務者等に対し、支払を催告するために書面又はこれに代わる電磁的記録を送付するときは、法令で定める事項を記載し、又は記録しなければならない(貸金業法21条2項)。これに違反した場合は行政処分のほか、刑事罰の対象となる。
②(○)債務者に対し支払いを催告するために電磁的記録を送付する場合、債務者の借入れに関する事実が債務者以外の者に明らかにならない方法により行われなければならない。
③(〇)債権の取立てをするに当たり、相手方から、当該貸金業者の商号、名称もしくは氏名又は当該従業者の氏名を明らかにするよう請求があった場合には、当該貸金業者の商号等を記載した書面を交付する方法に代えて、従業者証明書の提示によることができる。
④(×)電磁的記録の送付による催告でも問題はない。
第二十六問(取立の委託・債権譲渡)
【問題 26】
貸付けの契約に基づく債権の譲渡又は取立ての委託に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権の取立ての委託をしようとする場合において、その相手方が暴力団員でなくなった日から5年を経過していない者であることを知り、又は知ることができるときは、当該取立ての委託をしてはならない。
② 貸金業者から貸付けの契約に基づく債権の取立ての委託を受けた者は、債務者の請求がなくても、債務者に対して当該債権の取立てを行うに際し、貸金業者から貸金業の業務の委託を受けた旨等を記載した書面を当該債務者に提示しなければならない。
③ 貸金業者の貸金業に関し貸金業法第4条第1項に規定する営業所又は事務所の業務を統括する者は、貸金業法第24条第4項(債権譲渡等の規制)に規定する密接な関係を有する者に該当する。
④ 貸金業者の貸付けに係る契約に基づく債権を譲り受けた者が、自己の名義をもって、当該貸金業者の総株主の議決権の100分の50 を超える議決権に相当する株式を保有している場合、当該譲受人は、貸金業法第24条第4項に規定する密接な関係を有する者に該当する。
①(○)貸金業者は、貸付けの契約に基づく債権の取立ての委託をしようとする場合において、その相手方が取立制限者である場合には、当該取立の委託をしてはならない。
②(×)貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たり、相手方の請求があつたときは、貸金業を営む者の商号、名称又は氏名及びその取立てを行う者の氏名その他法令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない(貸金業法21条3項)。
③(○)営業所又は事務所の業務を統括する者その他これに準ずる者は、密接な関係を有する者に該当する(貸金業法施行令3条の7第1項3号)。
④(○)自己又は他人の名義をもつて所有している当該貸金業者の株式等に係る議決権の合計が、当該貸金業者の総株主等の議決権の百分の五十を超えている者は、密接な関係を有する者に該当する(貸金業法施行規則26条の24第1項1号)。
第二十七問(貸金業協会)
【問題27】
次の①〜④の記述のうち、貸金業法において、日本貸金業協会がその業務規程に定めなければならないとされている事項として適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 日本貸金業協会に加入している貸金業者(以下、本問において「協会員」という)が営む貸金業に係る過剰貸付けの防止に関する事項
② 協会員がその貸金業の業務に関して行う勧誘に関する事項
③ 協会員が営む貸金業の業務に対する資金需要者等(債務者等であった者を含む)からの苦情の解決に関する事項
④ 協会員に対する営利の目的をもってする経営指導に関する事項
①(○)協会員が営む貸金業に係る過剰貸付けの防止に関する事項は、業務規程に定めなければならない(貸金業法32条1項1号)。
②(○)協会員がその貸金業の業務に関して行う勧誘に関する事項 は業務規程に定めなければならない(貸金業法32条1項4号)。
③(○)協会員が営む貸金業の業務に対する資金需要者等(債務者等であつた者を含む。)からの苦情の解決に関する事項は業務規程に定めなければならない(貸金業法32条1項7号)。
④(×)協会は、営利の目的をもつて業務を行つてはならない(貸金業法30条)。
第二十八問(不正又は著しく不当な行為)
【問題 28】
次の①〜④の記述のうち、貸金業者向けの総合的な監督指針において、貸金業者が行った場合に、貸金業法第12条の6第4号に規定する不正又は著しく不当な行為に該当するおそれが大きいとされている行為として適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 契約の締結又は変更に際して、クレジットカードを担保として徴求すること
② 貸金業者が、架空名義もしくは借名で金融機関等に口座を開設し又は金融機関等の口座を譲り受け、債務の弁済に際して当該口座に振込みを行うよう要求すること
③ 資金需要者等が身体的・精神的な障害等により契約の内容が理解困難なことを認識しながら、契約を締結すること
④ 契約の締結又は変更に際して、印鑑登録証明書の写し、運転免許証の写し又は健康保険証の写しを徴求すること
①(〇)クレジットカードを担保として徴求することは、著しく不当な行為に該当するおそれが大きい。
②(〇)貸金業者が、架空名義若しくは借名で金融機関等に口座を開設し又は金融機関等の口座を譲り受け、債務の弁済に際して当該口座に振込みを行うよう要求することは、著しく不当な行為に該当するおそれが大きい。
③(〇)資金需要者等が身体的・精神的な障害等により契約の内容が理解困難なことを認識しながら、契約を締結することは、著しく不当な行為に該当するおそれが大きい。
④(×)印鑑、預貯金通帳・証書、キャッシュカード、運転免許証、健康保険証、年金受給証等の債務者の社会生活上必要な証明書等を徴求することは、著しく不当な行為に該当するおそれが大きい。ただし、これらの写しを徴求することは本人確認等の業務に必要な範囲内である限り問題はない。
第二十九問(広告規制)
【問題 29】
貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則に規定する個人向け貸付けの契約に係る新聞、雑誌又は電話帳による広告に関する遵守事項等に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 日本貸金業協会に加入している貸金業者(以下、本問において「協会員」という)は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するに当たり、日本貸金業協会が指定する商品の内容、契約、債務の返済等を含めた貸金業務全般の相談及び苦情窓口を罫線で囲んで表示しなければならない。
② 協会員は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するに当たり、日本貸金業協会マークを表示するに際しては、視認性が確保される程度の大きさにすることに留意しなければならない。
③ 協会員は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するに当たり、ギャンブル専門紙に広告を掲出するに際しては、安易な借入れを助長する表現又はその疑いのある表現を排除することに留意しなければならない。
④ 協会員は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するに当たり、過剰借入れへの注意喚起を目的とし、貸付条件の確認並びに使い過ぎ及び借り過ぎへの注意並びに計画的な借入れについての事項につき啓発文言を入れなければならない。
①(〇)協会員は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するにあたっては、下記に掲げる事項を表示しなければならない。
1)貸金業者の商号・登録番号その他貸金業法15条等に定める事項
2)貸金業協会考査承認番号
3)協会員番号
4)貸金業協会マーク
5)協会で指定する商品の内容、契約、債務の返済等を含めた貸金業務全般の相談及び苦情窓口( 掲載の際は罫線で囲むこと。)
②(○)貸金業協会マークを表示するに際しては、視認性が確保される程度の大きさとすること。
③(×)新聞又は雑誌へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するにあたっては、次の各号に掲げる媒体へ広告を掲出することはしてはならない。
1)ギャンブル専門紙及びギャンブル専門誌
2)風俗専門紙及び風俗専門誌
④(○)協会員は、新聞、雑誌又は電話帳へ個人向け貸付けの契約に係る広告を出稿するにあたっては、過剰借入れへの注意喚起を目的とし、次の各号に掲げる事項につき啓発文言を入れなければならない。なお、本項の啓発文言を踏まえた例示としては、以下の文言が考えられる。
1)貸付条件の確認
2)使い過ぎ、借り過ぎへの注意
3)計画的な借入れ
< 文言例>「貸付条件の確認をし、借りすぎに注意しましょう。」
第三十問(業務委託)
【問題 30】
貸金業者であるA社は、貸金業の業務を第三者であるB社へ委託した。この場合、貸金業者向けの総合的な監督指針において、監督当局が、A社の監督に当たって留意するものとされている事項に関する次の①〜④の記述のうち、その内容が適切でないものを1つだけ選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
① 外部委託された業務が海外で行われる場合を除き、A社が、B社と委託契約を締結していてもA社とA社の顧客との間の権利義務関係に変更がなく、顧客に対しては、A社が業務を行ったものと同様の権利が確保されていることを明らかにしているか
② A社が、B社における法令等遵守態勢の整備について、必要な指示を行うなど、適切な措置を確保しているか
③ A社が、外部委託リスクが顕在化したときの対応を規定した社内規則等を定め、役職員が社内規則等に基づき適切な取扱いを行うよう、社内研修等により周知徹底を図っているか
④ 委託業務に関して契約どおりサービスの提供が受けられない場合、A社が、顧客利便に支障が生じることを未然に防止するための態勢を整備しているか
【正解】 ①
①(×)委託契約によっても当該貸金業者と資金需要者等との間の権利義務関係に変更がなく、資金需要者等に対しては、当該貸金業者自身が業務を行ったものと同様の権利が確保されていることが明らかとなっているか。外部委託には、形式上、外部委託契約が結ばれていなくともその実態において外部委託と同視しうる場合や当該外部委託された業務等が海外で行われる場合も含む。
※暗記する類のものではない。本番で、問題文にスラッシュを打って、間違いを含みうる部分を強調しておく。この場合「海外で行われる場合を除き」が怪しい。こういった問題は当日の判断力で点数に変えるしかない。見直しの時にしっかり吟味すること。かつ考えすぎて迷わないよう判断を信じること